この記事では家を建てる際にハウスメーカーとの間で生じる可能性のあるトラブルとその原因、そしてそれを未然に防ぐための具体的な対策について詳しく解説しています。
多くの人が家を建てる過程で直面するハウスメーカーとのトラブルについて、具体的な事例を交えながら、どのように対応すれば良いのか、またどのようにしてトラブルを回避できるのかというポイントをお伝えします。
家作りの過程でのスムーズなコミュニケーションの取り方や、トラブルを未然に防ぐための具体的な手段を方法を役立ててください。
- 見積もりがトラブルの原因No.1として挙げられ、その複雑さや間違いが生じる背景
- 家具や家電が家に入らないトラブルや、その原因となるあいまいな表現の問題点
- 打ち合わせと図面が一致していない場合のトラブルと、その対処法や注意点
- ハウスメーカーとの人間関係の重要性や、その中でのトラブルを避けるための対策
後悔しない理想の家を作るために
夢の新居を手に入れたあなた。
友達から「すごいお家だね!」と言われることを夢見て、その上、おしゃれな写真をインスタに投稿するのを楽しみにしていたかもしれません。
そして何より、家族全員が安心して過ごせる家を築きたいと思っていたのに、その夢がすぐに悲劇に変わってしまったらどうでしょうか?
小さなミスならまだしも、それが大問題に発展したら…
これから新築の家を建てる予定なのに何でそんな怖い話を!と思うかもしれません。
すみません、でもこういった問題は実際に起こっているんです。
実は新居の引き渡し直後に大きなトラブルに直面し、家づくりを後悔する人が実際に多いのです。
そんな暗い話聞きたくないかもしれませんが、ここで挙げるトラブル例や防止策を知っていれば、実はそれらを防ぐことができるんですよ。
今回の話は、そんなハウスメーカーと起きがちな重大トラブルをピックアップしました。
でも、心配しないでください。
家を建てる前の今だからこそ、これらのトラブルを未然に防ぐための知識を手に入れることができます。
そして、具体的な対策も一緒にお伝えしますので、新居での生活を後悔するだけは避けたいというあなたにとって、この話はかなり重要なものになるはずです。
担当者との人間関係はとても大事なポイント
家を建てる過程は長い道のりです。
その間、ハウスメーカーや工務店とのやり取りは避けて通れない部分です。
これから家を建てる方々はこの「担当者との人間関係はとても重要だ」という視点を持ちつつ、いろいろな問題点に気をつけて家作りを進めてください。
人間関係なので、予想外のトラブルは避けて通れないものです。
しかし、そのトラブルを避けるために「よくあるトラブル」についての知識があれば、よりスムーズに家作りが進められるのは間違いありません。
見積もりはトラブルの原因No.1
最初に取り上げるのは、トラブルになりやすい原因No.1とも言える「見積もり」に関する問題です。
見積もりは建築業界の中でも特に複雑な部分であり、間違いや誤解が生じる原因となることが多々あります。
たとえば、話し合った内容が見積もりに反映されていなかったり、同じ項目が二重に計上されていたりすることがあります。
また、話し合いで提示された見積もりと最終的な金額が大幅に違うというケースも少なくありません。
もちろん、ハウスメーカーもこの見積り問題を理解していますし、対策も行なっています。
ハウスメーカー側からすると、見積もりは何百もの項目からなる複雑な計算であり、概算の金額と詳細な設計を経て得られる最終的な金額には自然とずれが生じるもの。
また、非常に項目が多いため、ミスは避けられないという観点もあります。
しかし、家を建てる施主側としては家作りには数千万もの大金がかかるため、これらの”誤差”が消費者にとっては直接的なダメージにつながります。
しかもその金額は数百万円にもなるケースも多いんです。
そのため、注文する側も大変ですが見積もりは厳しくチェックする必要があります。
見積もりを理解する
見積もりはいろんな項目や数字がびっしりと書いてあって非常にわかりにくいです。
特に本体工事とオプションがありますが、これらが何に含まれるのか、何が入っていないのか正直よくわかりません。
その結果、本体工事とオプション工事で重複している部分が多い状態で見積もりが進行してしまい、数百万円も気がつかないうちに支払っているというケースはかなり多いのではないでしょうか。
見積もりを理解するには専門的な知識や経験が求められますが、しっかりとこちらから指摘をしないと知らずに何百万円も余計に払うことになってしまいます。
とても面倒な作業ではありますが見積もりはじっくりとチェックをして、指摘した内容をハウスメーカーの担当者さんにもクロスチェックをしてもらうことをお勧めします。
予算超過した分をどうやって抑えるか
家を建てる際にはモデルルームを見たり、ハウスメーカーから説明を受けたり、どんな家を建てたいのかについてインタビューを受けたりします。
このインタビューで大体の予算やどんな家を建てたいのか、さらには年収や仕事のことまで伝えることになります。
その後、初回打ち合わせで伝えた予算感やイメージ、年収に基づいた提案をしてもらうのですが、この時点で結構最初に提示した予算を超えていたり、少し頑張ったら払えるかなっていうギリギリのラインで見積もりを出してくるんですよね。
さらに、家作りの打ち合わせが進行すると、さまざまなオプションが追加され100万円、200万円と増えていき、最終的な費用は予想以上に増えることがざらにありますので、最初にハウスメーカーから提示された金額から1000万ほど上がる可能性があると考えておくといいかもしれません。
とはいえ、家作りは生涯で一番大きな買い物とも言えるので値下げ交渉は必須です。
打ち合わせの前に家を建てる地域のデータを調べておいたり、メーカーごとの坪単価や相場観などを知っておくだけで違います。
どれくらいの数字になるのかある程度の目処を立てておいてください。
大きい買い物なんですから、こちら側もしっかりと覚悟を持って打合せに挑んでください。
経験者から聞いた話では、ハウスメーカーにもよりますがタイミングよくキャンペーンなどがあると最大で10%程度まで値下げが可能だと聞きました。
値下げ交渉はもちろん、値下げの代わりにオプションを追加してもらえるなんてこともありますので、諦めずにぜひ頑張ってみてください。
完成した家が打ち合わせと違う
このトラブルもよく耳にしますよね。
せっかく楽しみにしていたのに引き渡しを受けてガッカリして、長い間裁判でも争っているなんていう話はよく聞きます。
このトラブルが起こる主な原因は2つのパターンに分けられます。
一つ目は、建築会社の単純な施工ミスによるもの。
もう一つは、打ち合わせと図面が一致していなかった
というものです。
単純な施工ミスについては建築会社に指摘して修正してもらうことで解決します。
図面が打ち合わせと違っている
しかし、図面が打ち合わせ通りでなかった場合は問題はもっと複雑になります。
間違っていたら修正してもらえば良いと思うかもしれませんが、話はそんなに簡単でなく、その修正費用が有料になることもあるんです。
これはハウスメーカー側の判断によりますが、有料の可能性は残ります。
「でも、打ち合わせと図面が一致していないのは建築会社のミスじゃないの?」と思うかもしれませんが、分厚い契約書の約款をよく読んでみると「着工前の図面で家を建てる」という条文がほとんどの場合で書いてあります。
打ち合わせの内容が図面に反映されていない状態でも、その図面の最終チェックを依頼者が怠った場合、全てを建築会社の責任にするのは難しいです。
ここで担当者と言った言わないの問題になることが多く、揉めることも多いんです。
とはいえ、打ち合わせ記録が図面に反映されていない場合は大抵の建築会社は無償で直してくれます。
問題は間違いの程度がどれくらいなのかです。
その間違いが壁紙の貼り間違いくらいなら張り替えればいいだけですが、コンセントの位置が違っていたら壁を壊す必要があり、床の色が違っていたらフローリングを張り替えるなど、大がかりな工事になる可能性があります。
やり直し工事によって引き渡しが遅れてしまったり、家の壁を壊したりなどダメージを与えたりとデメリットばかりです。
今回のトラブルを防ぐには、面倒ですが必ず記録を残すことです。
打ち合わせのたびに、前回の打ち合わせ内容が図面に反映されているかどうかを確認してください。
毎回忘れずにチェックをする習慣を身につければ、このようなトラブルを防ぐことができます。
何か問題が発生したときに証拠となりますので、ボイスレコーダーや担当者に議事録を作ってもらうなど工夫をしてください。
駐車場が狭くない?打ち合わせで伝えたのに・・・
この話はまさに打ち合わせで伝えたのに完成したらイメージと全然違うって話です。
担当者さんとの打ち合わせも数ヶ月続いていて、なんとなく緩い雰囲気になっていたんだと思います。
家の駐車場の広さをどうするかという話になって担当者さんから「あまり大きい車を停めるのは厳しいかもしれません」とは言われたので「それほど大きい車は乗らないと思います」とフワッとした感じで伝えていたんです。
しかし、家族設計では子供は3人は欲しいと伝えてあったので、ワンボックスのファミリーカーくらいは停められるだろうと漠然と考えて工事が始まってしまいました。
問題が発覚したのは家の基礎作りが始まった頃に担当者から駐車場が狭いので、ちょっと大きい車も停められませんと言われた時でした。
この件はかなり揉めたそうですが、問題点はお互いにフワッとした話で終わらせてしまった点です。
「大きめの車」や「停めるのが厳しい」などと言った不正確な言葉で次に進んでしまったから起こった問題なんですね。
しっかりと
- 正確に何センチくらいの車両だったら駐車できるのか
- どの車両だとOKで、どの車両だと大きすぎるのか
と言った細かく、具体的なところまでお互いに認識しておかないと後で大変なことになってしまいます。
こう言ったことも後で思ったのと違うという原因になりますので、面倒でも打ち合わせでしっかり伝えておきましょう。
家具が家に入らない、家電がフィットしない
次のトラブルは「家具や家電が家に入らない」ことです。
リビングボード、L型ソファー、ダイニングテーブル、ベッド、ピアノなどの大型家具や家電が家に入らない問題は意外と知られていますが、特に2階リビングの場合は注意が必要です。
階段や廊下が狭い場合や、窓からクレーンで大型のものを入れられるかどうか、道路側の窓が小さい場合などは家具の設置が難しい場合があり、最悪諦めるしかないなんてこともあります。
このトラブルを避けるための対策は、家具の図面を入手し、その寸法を建築会社に渡しておくことです。
ポイントは自分で測った寸法を担当者に渡すのではなくて、購入元から入手した家具の図面を渡すこと。
もしくは担当者にお願いして、実際に家の家具を測ってもら雨のもいいかもしれません。
そして、その情報を打ち合わせ記録に残してください。
寸法を伝えたかどうかに関するトラブルは非常に多いので、口頭ではなく必ず図面を提出し、家具が入るかどうかを確認してもらうようにしましょう。
家電の大きさトラブルも多い
家電の大きさは想像以上に大きい場合があります。
私も電子レンジを実際に測ってみて、思ったよりも大きくて重いことに驚きました。
特に注意が必要な家電を3つ紹介します。
- 電子レンジ:新築に合わせて大型のレンジを考えている方は、必ず奥行きをチェックしてください。食器棚の奥行きが45センチの場合、大型のレンジが飛び出してしまうことがあるからです。
- 壁掛けテレビ:テレビの配線と壁掛け金具とコンセントの位置をしっかりと確認しましょう。工事中に電気配線の打ち合わせがあるので、その際に現場で測ることが重要です。
- 冷蔵庫:パントリーに冷蔵庫を設置したり、側面に壁を立てて冷蔵庫を見せないデザインを考えている方は注意が必要です。冷蔵庫のドアは90度までしか開かないため、両側に壁を立てるとドアが全開にならない可能性があります。
隣の家の窓の位置は必ず確認しましょう
自分の家のことは隅々までしっかりと考えて設計するんですが、隣の家のことは案外見落としているものです。
せっかく大きな窓を入れて、素敵な眺めを楽しもうと思ったのに、いざ家が出来上がったらお隣さんの窓が目の前にあった・・・
もう完成した家ですから窓の位置は変えられませんし、お隣さんの家を覗くのも、覗かれるのもいい気分はしませんよね。
実はこれ、意外とよく起こるんです。
特に分譲地のように隣家との距離が1mくらいしかない場合、思いもよらぬプライバシー侵害に悩まされてしまいます。
窓トラブルの解決法
このトラブルの原因は間取りの打ち合わせで隣の窓の位置を確認していないことにあります。
そんな大事なこと当然確認するでしょ!
と思うかもしれません。
でも、ちょっと考えてみてください。
今住んでいる家の隣の窓がどこにあるか、すぐに思い出せますか?
多くの人が答えに困るはずです。
解決法は簡単です。
もし建築地が決まっているなら今すぐ隣の窓の位置を確認し、それを間取り図に書き込んでみてください。
さらに気を付けてほしいのが、2階の窓。
2階の窓は見上げないと見えないから忘れがちですが、寝室や子供部屋の窓同士、あるいはバルコニーと隣の大きな窓が向き合ってしまうと目線が気になってプライバシーが保てなくなってしまいます。
では、これから隣に家が建つ場合はどうしたらいいでしょう?
この場合の対策の一つとして、窓を小さくしたり、型板ガラスにしたりすることでプライバシーを保つことができます。
隣の家の窓の位置は自分で決められないですし、隣がどこに窓を作るかも予測不可能です。
つまり、完全に防ぐのは難しいので自分たちで対策をしっかりと立てることが大切です。
エアコン本体とダクト穴の位置が合わない
せっかく新築で家を建てたのにエアコンが取り付けられないなんて・・・
エアコンが付けられないというトラブルは案外やってしまいがちなんです。
具体的には、エアコン本体とダクト穴(エアコンの通気口)の位置がうまく合わないんです。
エアコンのモデルによってはダクト穴の位置が微妙に異なることがあるんですが、一般人の我々にはちょっと気が付きにくいポイントですね。
ダクト穴は建物の工事中に設定され、ほとんどの場合エアコン本体はその後、家電量販店などで購入し、取り付け工事をしてもらいますが、そこでダクト穴のズレが発覚するんです。
この問題を解決法は、エアコンの機種を早めに決め、それに合わせてダクト穴の位置を定めるのが一番です。
もう一つの方法として、費用が少し上がるかもしれませんが、エアコンも住宅会社に注文してしますのも間違いがないのでおすすめです。
やはり家のプロにお願いした方がエアコン設置に関するトラブルを未然に防げるので楽ですよね。
ハウスメーカーとのトラブルを避けるために
ハウスメーカーとのトラブルはできるだけ避けたいものです、せっかく人生を賭けた買い物をするわけですからお互いに気持ちよく終わらせたいですよね。
そこで、私の経験からトラブルの回避法を最後にまとめてみました。
面倒でも細部まで詰める
家を建てる際にはあいまいな表現や抽象的な表現に頼らず、具体的な寸法や金額をしっかりと詰めることがとても重要。
議事録やボイスレコーダーなどで話の経緯を記録する
ハウスメーカーとの議論の経緯を記録することは大切で、特にトラブルが発生したときに必ず役に立ちます。
議事録も相手任せにしないで、自分たちが知りたい内容が議事録に書かれているかどうかも定期的に確認してください。
理路整然とした態度で対応する
どうしても専門的な知識がない我々は弱い立場になりがちなですが、論理的に対応し、必要なら戦う姿勢も示すことが重要です。
具体的には、トラブルが発生したときは感情的にならずに家族で作戦会議を開き、話の展開を予想したリハーサルをするなど対等な議論ができるように準備をしましょう。
ここぞというときは上司を呼んでもらう
トラブルの際にハウスメーカーの担当者だけでなく、その上司を巻き込むことが重要です。
大きなハウスメーカーほど1担当者だけで決められる範囲が限られており、権限がない担当者といくら話をしてもうまく進まないことが多いです。
なので決定権を持つ人を巻き込んで話をしてください。
担当者との良好な関係を維持する
家を建てるのは長ければ1年くらいかかってしまいますので、ハウスメーカーとの関係は可能な限り良好な状態でいたいものです。
例えば、素敵な仕様ができたらそれを認めて感謝を伝えるなど、相手をリスペクトする気持ちを持っておきましょう。
ハウスメーカーの決算に合わせない
建築業者の決算期に合わせて契約や建築スケジュールを進めないことが重要です。
決算期に合わせて建築を進めると、例えば「3月に引き渡しできれば500万円値引きします」のような話が出ることがあります。
しかし、このような条件は注意が必要で、どんな事態が起こっても期日を守らなければならなくなり、工事が急かされ、打ち合わせも期限内に済ませなければならなくなります。
家づくりはじっくりと納得しながら進めるべきものなので、無理なスケジュールは避けるべきです。
最終の確定図面のチェック
工事着工前の確定図面のチェックはとても大切なポイントです。
最終の確定図面は工事や発注が行われる基準となる図面で、これが間違っていれば出来上がる家も間違った形になってしまいます。
この確定図面を見ることができるのは最終的な打ち合わせが終わった直前、つまり着工直前です。
数ヶ月にも及ぶ全ての打ち合わせを終えて気を抜いてしまうところですが、この時点で最後の力を振り絞って確定図のチェックをしっかりとしてください。
ハウスメーカーとのトラブルについてのまとめ
今回の記事のポイントをまとめてみました。
- 見積もりはトラブルの原因No.1である
- 見積もりの間違いや誤解がトラブルの原因となることが多い
- 話し合った内容が見積もりに反映されていない場合がある
- 見積もりは何百もの項目からなる複雑な計算である
- 家を建てる際にはあいまいな表現や抽象的な表現に頼らず、具体的な寸法や金額を詰めることが重要である
- 議事録やボイスレコーダーなどで話の経緯を記録することが大切である
- トラブルの際にハウスメーカーの担当者だけでなく、その上司を巻き込むことが重要である
- 家を建てる前の今だからこそ、トラブルを未然に防ぐための知識を手に入れることができる
- 担当者との人間関係は家を建てる過程でとても重要である
- 人間関係なので、予想外のトラブルは避けて通れないものである
- 「よくあるトラブル」についての知識があれば、家作りがスムーズに進められる